【フランスで玉の輿】ポンパドゥール夫人から学ぶ夢のつかみ方

ここでは、ポンパドール夫人のお話から玉の輿にのるヒントを学んでいきます。

ポンパドゥール夫人は、フランス国王ルイ15世の寵姫となった女性です。

ただの一市民だったポンパドゥール夫人は、普通の結婚ではあきたらず、なんとしてでも国王に近づくよう努力しました。

そののち政治にまで介入し、外国と条約を結ぶ大仕事もやってのける女性でもありました。

≫結婚相談所ランキングを見る⇒

ポンパドゥール夫人の玉の輿エピソード

玉の輿にのったポンパドゥール夫人の生い立ち

貴族ではなくブルジョワの出身のポンパドゥール夫人

ポンパドゥール侯爵夫人は、フランス国王ルイ15世の寵姫です。

本名はジャンヌ＝アントワネット・ポワソン、1721年12月29日にパリで生まれました。

ポンパドゥール夫人は、貴族ではなくブルジョア階級の出身です。
ブルジョアとは、貴族と労働者階級の間の市民のことで、資産家階級です。

父はフランソワ・ポワソンです。
職工の子として生まれ、成人後は軍隊の糧秣支給係の馬丁の仕事に就きます。
糧秣というのは、兵隊の食料のことです。
糧秣調達係のパリ兄弟の信任を得て、財を築きました。

母はルイ―ズ＝マドレーヌ・ド・ラ・モットです。
砲兵隊特任官兼パリ廃兵院の食肉調達人の娘で、かなりの美貌の人でした。

母ルイーズは、貞淑な妻ではなかったようです。
夫の後ろ盾のパリ兄弟や、当時の陸軍大臣などとも親しかったこと、ポンパドゥール夫人が父親の粗野なところとまるで似ていないことで、本当の父は他にいるのではと言われていました。

ポンパドゥール夫人が子どもの頃に、父ポワソンが横領の罪で起訴され、ドイツに逃亡します。
その逃亡後、母ルイ―ズは、愛人の一人である総括徴税請負人のトゥルネームに頼り、トゥルネームがポンパドゥール夫人と母と弟の経済的援助をしたのでした。

かなり良い教育を受けたポンパドゥール夫人

ポンパドゥール夫人は、父ポワソンの意向で、小さい頃は、叔母のいるポワシーの女子修道院で教育を受けました。

小さい頃から魅力的で、「レネット（リンゴの一種で小さな女王と言う意味もある）」と呼ばれていました。

ポンパドゥール夫人の父は、横領の罪で起訴されドイツへ逃亡しましたが、運動の結果8年後の1733年に帰国を許されます。
ポンパドゥール夫人も女子修道院からパリの両親の家に帰り、さらに教育を受けて磨きあげられました。

ポンパドゥール夫人は、ふたりの有名な悲劇詩人に朗読や演劇を教わります。
ダンスも完璧、デッサンの才能もあらわしました。

歌はオペラ座の歌手に手ほどきを受けます。
かなりの才能を発揮し、あちこちのサロンに招かれて歌声を披露するようになり、社交界で活躍することになったのです。

有名なタンサン夫人やドゥファン夫人らのサロンに招かれました。
サロンでは、百科全書派の哲学者ディドロや有名なモンテスキュー、ダランベール、ヴォルテール、劇作家マリヴォーといった知識人と出会います。
そして、サロンでの社交術、教養ある会話を身に付けました。

母の愛人の甥と結婚

母の愛人のトゥルネームは、ポンパドゥール夫人を可愛がりました。
教育にかかる費用を一切請け負っただけでなく、結婚の世話までもしたので、「実の父では」と言われているほどです。

トゥルネームは、ポンパドゥール夫人を自分の甥のシャルル＝ギョーム・ル・ノルマン・ド・デティオルと結婚させ、自分の財産を譲ることにしました。

このトゥルネームの甥シャルルは、つまらない人物のように思われがちな人ですが、良い教育を受けて教養も高く、芸術の趣味も持っていました。

トゥルネームは甥シャルルに自分の仕事を手伝わせ、自分のブロワ特別裁判所評定官の職を譲ります。

さらに平貴族にして社会的地位を用意してやりました。
平貴族とは、イギリスで言うジェントルマン階級ですね。

そのうえで財産の生前贈与もして、エティオルの城館とパリの邸宅、領地も与えました。

これらの贈与はすべてポンパドゥール夫人のためでした。

ポンパドゥール夫人は19歳で結婚後、エティオル夫人と呼ばれるようになりました。
夫のデティオルは、美貌の夫人にぞっこんだったそうです。

若夫婦はパリの大邸宅と領地の城館を行き来する大変裕福な暮らしで、とても仲睦まじかったのです。

そしてポンパドゥール夫人は、パリの一流サロンに出入りするようになりました。

ポンパドゥール夫人ことエティオル夫人は人気者となります。
夫の領地であるエティオルの城館には、モンテスキューやヴォルテールなどの人々も訪れ、城館のなかの劇場で喜劇を演じたりオペラを歌ったりして過ごしたそうです。

このように、充分裕福で幸せな生活ですが、ポンパドゥール夫人はなぜか子どもの頃からルイ15世が大好きで、どうしてもお近づきになりたいと思っていたようです。

舞台となった時代背景

18世紀当時のフランスでは、多少の色恋沙汰は大目に見られてました。

ましてや、フランス宮廷となると、色恋沙汰やゴシップがないと生きていけない人たちばかりと言っていいでしょう。

現在進行形はゴシップ、スキャンダルですが、年月が経つと、それは史実になります。

「最愛王」と言われたルイ15世は、15歳で結婚し、8年間マリー・レクザンスカ王妃ひとすじの年月を過ごします。
その後、マイイー夫人とその妹たちとの愛情生活に明け暮れていました。
ネール家の5人の姉妹と次々と関係を持ったのです。

そしてマイイー姉妹の末の妹で正式の寵姫第一号となった、最愛のシャトールー夫人が若くして亡くなり、落ち込んでいました。

その次に現れたのが、ポンパドゥール夫人でした。

ポンパドゥール夫人が玉の輿に乗るきっかけとなったできごと

ルイ15世に近づく

ポンパドゥール夫人は、結婚後、どうしてもルイ15世に近づきたかったようです。

自分の住む館の近くのセナールの森で狩りをするルイ15世に会いにいきました。
馬車（オープンカーみたいな屋根のないタイプ）に乗って、目立つように待ち伏せしたり、さりげなくすれ違ったり。

ルイ15世は、このときは一向にポンパドゥール夫人に気が付かなかったようです。
側にいたマイイー夫人らは、気が付いていたそうですが。

ルイ15世の従僕による引き合わせ

シャトールー夫人を失った悲しみが癒えたルイ15世は、退屈していました。

どこかに美しい女性はいないかと尋ねた従僕は、ポンパドゥール夫人の従兄でした。

「自分の親戚の美貌の夫人が王様に憧れていて」と話すと、ルイ15世が興味を示します。
そしてポンパドゥール夫人は、1745年2月の王太子の結婚式の祝いの仮面舞踏会に招待されたのでした。

イチイの木に扮したルイ15世の前に、女神ダイアナに扮したポンパドゥール夫人はやってきて、2人は見つめ合います。

その3日後のパリ市長の舞踏会で、ポンパドゥール夫人はハンカチを落とし、それを拾ったルイ15世が話しかけ、馬車で母親の家に送って行きました。
なんともベタなきっかけですが、史実です。

そしてポンパドゥール夫人は、4月にはルイ15世の新しい愛人となります。
5月には夫と別居が宣言され、7月にはポンパドゥール侯爵夫人の称号を与えられました。

夫はびっくり仰天で、ポンパドゥール夫人に未練たらたらの手紙を寄越しましたが、地方へ飛ばされてしまいます。

5月からはルイ15世は７年戦争のために、戦地へ行っていました。
ポンパドゥール夫人との手紙のやり取りは欠かさず、ポンパドゥール侯爵の位を与えることはすでに決めていて、手紙の中でポンパドゥール侯爵夫人と呼んでいたそうです。

そして9月には正式な寵姫として、マリー・レクザンスカ王妃に紹介されたのでした。
まさに、あれよあれよという、とんとん拍子の出世です。

これはスゴイ！さすがの財力と権力がわかるエピソード

まさに華やかなロココ文化の女王

ロココ芸術を代表する画家たちが、競うようにしてポンパドゥール夫人の肖像画を描いています。

豪華なドレスに身を包み、美しい目、輝くような白い肌が特徴的です。
読書家らしく、手に本を持ってくつろいでいる姿は優雅です。

画家の絵心をそそる、時代を代表する美人でした。

ポンパドゥール夫人は20年の寵姫生活で、かなりの浪費をしたことでも有名です。

ブルジョアの出身のせいか、宝石よりも城館をあちこちに所有し、凝った内装で飾り立てました。

マリー・アントワネットが好んだ、あのプチ・トリアノン宮も、ルイ15世がポンパドゥール夫人のために建てさせたものです。
現在はフランス大統領の住まいのエリゼ宮も、ポンパドゥール夫人の住まいのひとつでした。

その他にも、サンシール陸軍士官学校を設立し、セーブルの陶器工場を保護して美しい陶器を作らせたのです。

また、実弟をイタリアへ行かせ、芸術品について学ばせます。
その後、ベルサイユ宮殿の王室造営物監督官に任命し、ベルサイユ宮殿の自分の住まいも思いどおりに改装したのでした。

ポンパドゥール様式といわれる家具類も

「ポンパドゥール様式」とはロココ調の飾り立てた家具類のことです。

ポンパドゥール夫人以前からあったのですが、ポンパドゥール夫人がたくさん作らせて型を確定したと言われています。

また、前髪を大きくふくらませ、高い位置でまとめるヘアスタイルのポンパドゥール型も、ポンパドゥール夫人が流行させました。

玉の輿のその後

身内に役職や利益を与えた

ポンパドゥール夫人は、ルイ15世から与えられたベルサイユ宮殿の一郭、アパルトマンに、父のポワソンや弟なども呼び寄せていました。

貴族ではないポンパドゥール夫人は、宮廷生活では頼る人がいないため、身内を呼び寄せたのかもしれません。

宮廷での言葉使いやマナーは、一般市民とではかなり違います。
ポンパドゥール夫人は、父が場ちがいな言動で人々の失笑を買っても、家族のことを大事にしました。

また、「平民の寵姫などけしからん」と最初のころは言われていましたが、

ポンパドゥール夫人は、人の悪口は言わず、言わせず、いつも相手に気を使ってにこやかに接するので、だんだんと認められるようになったのでした。

そして、親代わりのトゥルネームを役職につけたり、父の後ろ盾のパリ兄弟のライバルを罷免したりして、身内に利益をもたらすこともしっかりと行いました。

父と弟も貴族になって、領地をもらってしまいました。

ルイ15世の愛人におさまらず、政治にも介入

ポンパドゥール夫人は、自分の推薦する人たちを役人に取り立てただけではありませんでした。

ルイ15世に進言して、自分に敵対する宮廷人や大臣を失脚させます。
そして、どんどん政治に口を出すようになりました。

宮廷で親しくなった人たちとのコネを利用して、外交問題にも進言するようになったのです。

ポンパドゥール夫人は「ルイ王太子の2度目の妃にザクセン選帝侯の王女を」と話をすすめます。
それは、ベルサイユ宮殿に出入りしていた、ザクセン選帝侯の異母兄であるモーリス・ド・サックスと親しくなったからでした。

ポンパドゥール夫人は、持ち前の交渉上手を発揮します。
この結婚に反対するマリー・レクザンスカ王妃を説得して承諾を得ました。

また、ポンパドゥール夫人は、7年戦争で、元来フランスとは仲が良くなかったオーストリアと同盟を結ぶという、画期的なことを成し遂げました。

これはオーストリアのカウニッツ伯爵（後のオーストリア宰相）が、フランスに大使として駐在していたときに、ポンパドゥール夫人と親しくなったためにできたことでしょう。

カウニッツの方も、外交官として赴任している国の情報通になれば、ルイ15世を動かすにはポンパドゥール夫人に気に入られることだと踏んでいたのかもしれません。

1756年にべルサイユ条約を結んでプロイセンを孤立させた、いわゆる外交革命はポンパドゥール夫人が、オーストリアのマリア・テレジア女帝、ロシアのエリザヴェータ女帝と通じて、プロイセンのフリードリヒ2世包囲網を結成したのでした。

これは、3人の女性君主が行ったことで、3枚のペチコート作戦と呼ばれています。

ポンパドゥール夫人は、素人劇を催したり、教養ある会話でルイ15世や宮廷の人たちを楽しませることもしましたが、それだけではなく、宮廷での人間関係を政治や外交にも役立て、交渉術にもたけていたのです。

ルイ15世に他の女性たちを紹介する

ポンパドゥール夫人はあまり健康な体ではありませんでした。

そのため、寵姫としてのお務めは長く続かなかったようです。

ですが、その代わりにルイ15世に若い女性たちを次々と仲介し、「鹿苑」とか「鹿の園」と呼ばれる家に住まわせていた話は有名です。

ルイ15世は60人を超える庶子（正式な結婚以外でできた子ども）がいました。

このことでポンパドゥール夫人は、マダム(娼館の主)のように言われ、風刺詩などでもかなりひどい扱いを受けたのでした。

ルイ15世の友人となる

ポンパドゥール夫人は、国王の友人として亡くなるまでその地位を保っていました。

寵姫といえば、年をとって美貌が衰えたり、ちょっとした失言で国王の寵愛を失うと、まさにボロきれのように捨てられてしまうものですが、ポンパドゥール夫人は違いました。

それはやはりポンパドゥール夫人の才能や教養ある会話などの魅力、政治や外交にも発言する力があったからこそでしょう。

ポンパドゥール夫人の晩年

先ほども触れたように、ポンパドゥール夫人は体が丈夫でありませんでした。
それに大好きなルイ15世の愛を失うのではないかと常に心配していたようです。

また、周りがすべて敵のような宮廷でのストレスの多い生活を続けたせいか、病気がちとなり、43歳の若さでベルサイユ宮殿で亡くなりました。

当時、王族以外の人間がベルサイユ宮殿で亡くなるのは許されないことでした。
本来ならば、ポンパドゥール夫人は死に瀕してよそへ移るべきなところ、ルイ15世が承知しなかったのは、異例中の異例とされています。

ルイ15世は、雨の中、ポンパドゥール夫人の葬列を涙を流しながらテラスで見送り、「これが20年愛した女性に自分が出来る唯一のこと」と、言ったという話です。

ポンパドール夫人のエピソードからわかった！玉の輿にのるための３つの努力

身分違いでもアピールせよ

身分違いでもアピールし、自分を売り込むことは、玉の輿のためには必要かもしれません。

ポンパドゥール夫人は、本来ならば国王の寵姫になるような階層の生まれではありませんでした。
ですが、自分から国王に近づき、持ち前の美貌と教養と社交術を駆使し、ルイ15世を魅了したのです。

自分を売り込むために、自信を持っていないと難しいでしょう。

自信を持つために、時には占いを信じるのも大切かもしれません。

ポンパドゥール夫人は、修道院に預けられていた9歳の頃、占い師に「後にルイ15世の寵姫になる」と予言されました。
まさに寵姫になった後、その占い師にお金を払った記録があります。

美貌ではありましたが、身分違いのポンパドゥール夫人にとって、ルイ15世の寵姫になるのは究極の目標だったはずです。

ですが、占いを信じ、究極の目標への強い意志をもちつづけていたから叶ったともいえるでしょう。

周りの人にも受け入れられるよう努力する

結婚後、結婚前でも、相手の家族と親しくするよう努めるとうまくいきます。

ポンパドゥール夫人は寵姫なので、ルイ15世の家族であるマリー・レクザンスカ王妃やその子どもたちとは敵対する立場ともいえます。
ですが、ポンパドゥール夫人は、マリー・レクザンスカ王妃に常に敬意と心使いを忘れずに、そして王妃に受け入れられるようにつとめました。

王妃の女官長になり、信仰あつい王妃にならって、教会へも行き信仰を深めたということです。

また、ベルサイユ宮殿は「子どもの養育に向かない」ということで、ルイ15世の王女たちは修道院で養育されていました。
ですがポンパドゥール夫人は、王女たちをベルサイユ宮殿に住まわせるように進言し、ルイ15世とそのご一家を仲良くさせる仲介までしたのです。

とはいえ、ルイ15世の一人息子であるルイ王太子は、ポンパドゥール夫人を嫌っていました。

ですが、王太子の最初の妃がお産で亡くなった後、2度目の妃との縁談をうまくまとめまいた。

妃となった王女はポンパドゥール夫人に感謝を持ち、結婚後は王太子も妃の影響でポンパドゥール夫人に敬意を表するようになりました。

教養を身につける

教養を身につけ、魅力あふれる女性になることも大切です。

この時代の女性は、あまり教育が重視されていませんでした。
ルイ15世の王女ルイ―ズですら、12歳になってもアルファベットを知らなかったと言われています。
今も残る有名な女性たちの手紙には、いくつもスペルの間違いがあるほどです。

そういう中で、ポンパドゥール夫人は、色々な教育を受け、自分でも多くの本を読み、ヴォルテールと哲学について語れるほどの並々ならぬ教養を持っていました。

その並々ならぬ教養を武器に、ルイ15世の愛情を勝ち取り、さらには政治に介入し、戦争を起こし、外国と条約を結ぶなどの大仕事までやってのけたポンパドゥール夫人は、偉大な歴史上の女性であることに間違いないでしょう。

≫結婚相談所ランキングを見る⇒